ごみ半減をめざす「しまつのこころ条例」に基づく「市民モニター制度」の平成28年度実施結果について

京都市では,平成27年10月に施行した,ごみ半減をめざす「しまつのこころ」条例に基づき,公募で選任した市民が,事業者(対象事業者:小売業者,飲食店業者,イベント主催者)による2R※を中心とした取組の実施状況を把握し,市に報告する「市民モニター制度」を運用しています。
この度,平成28年度の実施結果について,下記のとおり,条例第19条第2項に基づき公表します。
※ごみになるものを作らない・買わない「リデュース(発生抑制)」・繰り返し使う「リユース(再使用)」

1 「市民モニター制度」実施店舗等

店舗等の種類 実施店舗・イベントの数
小売店 22
飲食店 4
イベント 11
37

※モニターを実施した店舗等の種類
小売店:食品スーパー,コンビニエンスストア等
飲食店:ファーストフード
イベント:各区ふれあいまつり

2 市民モニターの数及び店舗等への訪問延べ人数

(1) 市民モニターの数

44人(平成29年3月現在)

(2) 訪問延べ人数

120人(店舗へのモニターは,2人ないし3人のグループで実施。イベントは個人で実施)

3 モニターの実施結果について

店舗等の種類 店舗等における主な確認項目(上段)
取組状況(下段)
小 売 店 ・来店者にごみになるものが少ない買い物を促すPRの取組(マイバックの携帯や簡易包装の利用を呼び掛けるポスターの掲示,店内アナウンス等)を実施しているか。
・来店者にごみ分別・リサイクルを促すPRの取組(ポスターの掲示等)を実施しているか。
・リサイクルできる製品や容器包装を回収する取組(牛乳パック,食品トレー,小型家電等の店頭回収)を実施しているか。
・レジ袋の有料化を実施しているか。
・レジ袋の要否及び必要枚数を確認する取組を実施しているか。
・ごみになるものが少ない製品の販売促進と,販売方法を行う取組(詰替商品の販売促進や量り売り・はだか売りによる販売等)を実施しているか。
・食品ロスの発生を抑制する取組(小分け売り,見切り販売,在庫管理の徹底等)を実施しているか。
・マイボトルによる飲料提供の取組を実施しているか。
・使い捨て食器の提供を抑える取組を実施しているか。
●食品スーパー
・いずれの店舗においても,容器包装等の店頭回収が実施されていたが,品目数や種類は様々であった。
・食品ロスの発生抑制については,見切りのタイミング,条件の詳細設定,在庫管理など,顕著な取組が確認できた。
・レジ袋を有料化している店舗では,要否を口頭確認する取組の徹底のほか,マイバック持参率を記載したポスターの掲示など,レジ袋の削減に顕著な取組が確認できた。●コンビニエンスストア
・マイバックの持参者は見られず,温める食べ物の購入者に対して,“袋をお分けしましょうか?”との声掛けがなされるなど,来店者がレジ袋を必要としている前提での声掛けが見られた。●共通
・店頭アナウンスについては,販売促進のための内容が中心であった。
・マイボトルによる飲料提供の取組については,衛生上の理由から実施が難しいという回答があった。
・家庭ごみの持ち込みや汚れたトレーの廃棄対応等に苦慮しているとの声が多数あった。
飲 食 店 ・利用客に食事の食べきりを促すPRの取組(ポスターの掲示やメニューへの記載等)を店内で実施しているか。
・利用客が食べ残しの持ち帰りを申し出た場合に(衛生上支障がない範囲で)容認しているか。
・食品ロスの発生を抑制する取組(小盛りメニューなど食べきりにつながる適量メニューの提供や,食材の使いきりにつながる調理の工夫,在庫管理の徹底等)を実施しているか。
・マイボトルによる飲料提供の取組を実施しているか。
・使い捨て食器の提供を抑える取組を実施しているか。
●ファーストフード
・サイズやボリュームなど,メニューを工夫することにより,食べ残しの発生を抑制しており,ポスター等の掲示物の貼付は検討していないとのことであった。
・持ち帰りの申出があれば小袋の提供等により対応していた。
・コーヒー等の注文の際にミルクや砂糖の要否確認が徹底されていた。
・マイボトルによる飲料提供の取組については,衛生上の理由から実施が難しいという回答があった。
・食品ロスの発生抑制については,天候やイベントの開催情報等による売上予想を徹底しているほか,発注ミスが生じないようなシステムが構築されていた。
・リサイクルに必要なコストの負担が過大であるという声があった。
イベント ・参加者がごみを分別して出せるよう,環境を整える取組(分別ごみ箱の設置,分別を促すアナウンス等)を実施しているか。
・マイバック携帯を促すPRの取組(イベント開催のお知らせにマイバック携帯を促すPR文の掲載等)を実施しているか。
・洗って使える「リユース食器」が導入されているか。
●地域のふれあいまつり
・分別に関する会場アナウンスの取組状況については顕著な地域とそうでない地域の差が見られた。
・分別ごみ箱や,リユース食器の返却場所が分かりやすく表示されていた。

4 特徴的な取組事例

  • 食品廃棄物の飼料化や,従業員にハンドブックを配布し,ごみの分別や食品ロス削減の意識を高める取組を実施(イオン 京都桂川店)
  • 揚げ物等を入れる容器については,従来のプラスチック容器に加え,COの排出量を大幅に削減できる環境に優しい持ち帰り用袋を導入(ダイエー 桂南店)
  • 地域団体に使用済みてんぷら油の回収拠点を提供し,資源化の取組に貢献(ハッピー六原)
  • 食品廃棄物の飼料化や,使用済みてんぷら油からお客様用のせっけんを作るなど(お手洗い等に設置),リサイクルの取組を推進(ライフ セントラルスクエア西大路花屋町店)
  • 発砲スチロールをリサイクルして作成した定規を小学生の見学会で配布し,環境教育に貢献(ライフ セントラルスクエア西大路花屋町店)

(参考)条例抜粋

(その他の措置)

第19条 市長は,第11条から第13条までの規定により行われるべき取組の実施状況を把握するために必要があると認めるときは,適当と認める市民に対し,報告を求めるものとする。

2 市長は,第17条第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定により報告書の提出を受け,又は前項の報告を受けたときは,毎年1回,その内容を取りまとめて,公表するものとする。(以下略)

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