寳酒造の創業より、まもなく100年を迎える宝ホールディングス。1994年に「環境・広報室」が立ち上がり、以来約30年、環境への取組を積み重ねてきました。「環境活動REPORT」(2017年までは「緑字企業報告書」)を作成し、自らの事業活動が環境へ与える影響を長年開示・評価しています。
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30年近く続く「焼酎の量り売り」
容器包装については、3R+リフューズの「4R」に配慮し、商品開発を進めてきました。長く続いている取組のひとつが「焼酎の量り売り」。近年ゼロウェイストを掲げる専門店が登場するなど、量り売りが見直される動きがありますが、宝酒造は1998年に焼酎の量り売りをスタート。専用タンクで酒販店に焼酎を納め、お客さまには空のボトルをご持参いただき、タンクから飲みたい分だけ容器に詰めて購入いただくという販売スタイルです。蒸留酒である焼酎は賞味期限を記載する義務がなく、劣化がほぼみられないことから、量り売りとの親和性が高い商品です。
軽量化・肉薄化の取組
びん容器やペットボトルの軽量化・肉薄化にも長年取り組んでいます。例えば200mlのガラス製カップ(いわゆるワンカップ)は、2002年に145gだったものが2009年には130g、2020年には125gとなっています。容器の軽量化は、びんの省資源化だけでなく、輸送時のエネルギー節減や、廃棄物削減にも繋がっています。
同一素材化の取組
「リサイクルのしやすさ」も取組課題のひとつ。主力商品「タカラ本みりん」の取っ手付きのペットボトルは、軽く扱いやすいことで人気があります。そこで、分別を行いやすいよう、元々別々の素材でできていた本体と取っ手を同じ素材に統一。キャップも簡単に取り外しができる仕様としました。
バイオマスプラスチックへの切り替え
2007年から一部のパッケージに生分解性プラスチックを導入。現在は、素材を切り替え、バイオマスプラスチックを使用しています。
プラスチック削減の取組
直近の動きとしては、酒の容器の「装飾」に使用しているプラスチックの削減に取り組んでいます。商品の差別化の意味で難しいものもありますが、デザイン上の工夫を加えながら、削減を進めています。
これからの展望をおききしました
地域によっては一升びんの回収が難しくなっている現実や、コロナ禍で外食産業からのびん回収量が減少するなど、リターナブルびんには逆風もあります。しかし、「リユース」の取組として、今後も継続していきたいと思っています。
弊社は2023年4月より、サステナビリティ推進室を新設します。グループ全体のCO2排出量削減をはじめ、企業活動の持続可能性をさらに追求していく考えです。容器包装についても、「3Rに配慮した持続可能な容器包装の導入を進め、2050年度までに100%を目指す」という長期目標を掲げています。簡単なことではありませんが、これからも目標の実現に向けて、取り組んでまいりたいと思います。
(環境広報部環境課 中川道弘氏・坂本裕太氏/2023年3月)