「しまつのこころ条例」に基づく「事業者報告制度」の実施結果について(令和4年度)

京都市では、平成27年10月に施行した、「しまつのこころ条例」に基づき、一定面積以上の本市域内の店舗等で小売、飲食店又はホテル・旅館を営む事業者及び大学に対して、年に1回、条例に規定する2Rを中心とした取組に関し、前年度の実績報告及び当年度の計画の提出を義務付ける「事業者報告制度」を実施しています。

この度、令和4年度の実施結果について、下記のとおり、条例第19条第2項に基づき公表します。

※ 必要以上にごみになるものを作らない・買わない「Reduceリデュース」と繰り返し使う「Reuseリユース」

1 対象事業者の規模要件

(1)小売業者及び飲食店業者

・1店舗の延床面積が500㎡以上の事業者
・市内のチェーン店の延床面積の合計が3,000㎡以上の事業者

(2)ホテル・旅館業者

・1店舗の延床面積が1,000㎡以上の事業者
・市内のチェーン店の延床面積の合計が3,000㎡以上の事業者

(3)大学

・市内の全ての大学・短期大学

2 対象事業者数、提出事業者数及び提出率

(1)対象事業者数 544事業者
(2)提出事業者数 544事業者
(3)提出率    100%

業種別内訳
業種別 事業者数
小売業者 159
飲食店業者 91
ホテル・旅館業者 262
大 学 32
合 計 544

3 取組の状況

(1)小売業者

実  施  義  務

①購入者に対し、廃棄物の発生抑制等に配慮した販売方法の優先的な利用を促すために必要な事項を周知する取組

②購入者に対し、再生利用をすることができる廃棄物を分別して排出するよう促すために必要な事項を周知する取組

(①又は②のいずれかの実施が必須)

③購入者に対し、レジ袋を有償により譲渡する取組(特定レジ袋を有償によらずに譲渡することを含む。)

④購入者に対し、レジ袋の要否及び必要最小限の枚数(レジ袋を必要とする場合に限る。)を確認する取組

実  施  取  組 ①簡易包装、はだか売り等ごみになるものが少ない買い物を促すポスターやステッカーの掲示

②資源物の回収を案内するポスターやステッカーの掲示

③レジ袋の有料化、特定レジ袋を無償提供

④レジ袋の要否の口頭確認、要否確認用ステッカー等をレジ付近に掲示

総  括 ①、②全ての事業者が両方又はどちらかのポスターやステッカーを店内に掲示していた。

③レジ袋の有料化が義務化されたことに伴い、レジ袋を使用する事業者はレジ袋の有料化又は特定レジ袋の無償提供を実施していた。一部、特定レジ袋を有料化、紙袋に変更した事業者も見られた。

④マイバック持参が浸透してきており、辞退した割合は増加傾向である。

努  力  義  務 規  定 ⑤廃棄物の発生抑制等に配慮した製品を優先的に販売し、及び廃棄物の発生抑制等に配慮した販売方法を実施するよう努める取組

⑥特定レジ袋を無償により譲渡することを抑制するための措置を講じるよう努める取組

⑦購入者に対し、レジ袋の使用の抑制を図るための工夫を促すために必要な事項を周知するよう努める取組

⑧再生利用をすることができる廃棄物を回収するために必要な体制を整備し、及びその回収方法を購入者に周知するよう努める取組

⑨食品廃棄物等の発生を抑制するための工夫をするよう努める取組

⑩自ら持参した容器に飲料を入れて受け取ることのできる販売方法を実施し、及び容器の持参を促すために必要な事項を周知するよう努める取組

⑪使い捨ての食器の譲渡又は使用を抑制するよう努める取組

実  施  取  組 ⑤野菜のはだか売り、トレイなし等簡易包装での販売、詰替え用商品の取扱い、少量サイズや量り売り販売、充電池等繰り返し使える商品の販売促進

⑥特定レジ袋の有料化、レジ袋・買い物袋辞退者へのポイント付与の実施

⑦マイバッグ持参を促すポスターをレジ付近に掲示、レジ袋が有料であることを告知するPOPの掲示

⑧食品トレイ、牛乳パック、びん、衣料品等の店頭回収ボックスの設置

⑨見切り販売の実施、需要予測の精度向上による仕入れ量の増減調整

⑩マイボトル持参者への飲料のみの提供

⑪希望者に限り、割り箸・スプーン等を提供

総  括 ⑤食品を扱う多くの事業者で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、トレイなし・個包装なしの取組継続が難しくなっているが、一部の事業者が個包装なしの取組を再開している。

⑥一部の事業者が、特定レジ袋の無償提供をしているが、有料に変更した事業者は増加している。

⑦レジ袋の有料化に伴い、マイバック持参が浸透している。

⑧多くの食品スーパー、電機店、酒類販売店、一部の衣料品店等で店頭回収の取組が見られた。

⑨食品を取扱うほぼ全ての事業者が見切り販売を実施していた。また、

一部の事業者が、天気や曜日等の情報を仕入れ量の増減調整に利用するシステムを導入している事業者が見られた。

⑩マイボトルへの飲料販売は、一部の事業者のみでの実施にとどまっている。

⑪弁当・惣菜等を扱うほぼ全ての事業者が、割り箸等の要否を口頭確認する取組を実施していた。また、プラスチック資源循環促進法の施行を前にした令和3年度は、一部の事業者がフォーク、スプーン、ストローを代替素材に変更していた。

 

(2)飲食店業者

実  施  義  務 規   定 ①飲食店の利用者に対して食事として提供された食品をできる限り消費することを促すために周知する取組
実   施   取   組 ・少量メニュー、複数サイズなど、量の選択が可能であることをメニューに明記

・食べ残しなしを促すPOP広告等の掲示

総   括 ・レストラン、居酒屋、大学生協等では少量メニュー、複数サイズでの提供やPOP広告等による食品ロス削減のPRを実施する取組が多く見られた。

・旅館、ホテルでは、料理やご飯の量を確認し、食べ残しがないように口頭で案内している取組が多く見られた。

努  力  義  務 規   定 ②飲食店の利用者から食事の一部を持ち帰ることを希望する旨の申出があったときに、衛生管理上支障がない限りこれを認めるよう努める取組

③食品廃棄物等の発生を抑制するための工夫をするよう努める取組

④自ら持参した容器に飲料を入れて受け取ることのできる販売方法を実施し、及び容器の持参を促すために必要な事項を周知するよう努める取組

⑤使い捨ての食器の譲渡又は使用を抑制するよう努める取組

実   施   取   組 ②加熱済メニューの持ち帰り希望者に容器や袋を提供

③需要予測の精度向上による仕入れ、仕込み量の増減調整

④マイボトル持参者に割引を実施

⑤割り箸からリユース可能な箸への変更

総   括 ②持ち帰りの希望に対応可能な事業者は半数に満たない状況である。

③全ての事業者が需要予測に基づく発注や仕込み量の調整等によって食品廃棄物の発生抑制に取り組んでいた。また、食品ロス削減のため、フードシェアリングサービスを導入した事業者が見られた。

④大部分の事業者が店内飲食を前提としているため、マイボトルでの飲料提供は未実施。店内ではリユース可能な食器を利用。

⑤使い捨て食器を使用していない事業者が多かった。また、プラスチック資源循環促進法を前にした令和3年度は、一部の事業者がストローを紙製、生分解性プラスチックに素材を変更していた。

 

(3)ホテル・旅館業者

実  施  義  務 規   定 ①滞在者が廃棄物を分別して排出するために必要な環境を整備する取組又は滞在者に対し本市における分別に関する取組について理解を得るために必要な事項を周知する取組
実   施   取   組 ・客室やフロント、エレベーター内等に、滞在客に対して分別・リサイクルの徹底を啓発するステッカーを掲示

・フロント付近に啓発用リーフレットを配架

・客室内や共用部に分別ごみ箱を設置

総   括 ・大部分の事業者が、廃棄物の分別に係る何らかの取組を実施していた。

・分別ごみ箱を客室ごとに設置している事業者が多い。

・分別を英語・中国語・イラストで外国人にも分かりやすく説明している事業者も見られた。

・客室モニター、フロントモニターなどに「京都市が推進する2Rと分別・リサイクルに当ホテルが積極的に取り組んでいる」旨をPR表示している事業者は徐々に増えている。

(その他)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、長期間の休業が続いて

いる事業者、閉館・廃業した事業者が増えている。

努  力  義  務 規   定 ②滞在者に対する使い捨ての日用品の提供又は販売を抑制するよう努める取組
実   施   取   組 ・シャンプー類はポンプ式を採用

・清掃やアメニティグッズの補充等を希望しない旨の意思表示カードを客室に設置

・アメニティグッズの提供は希望者のみ実施

・アメニティグッズを提供しない宿泊プランの設定

・アメニティグッズの種類の削減

総   括 ・大部分の事業者が何らかのアメニティグッズの提供抑制に取り組んでおり、客室に設置せず、フロントにアメニティバーを設置し、希望者のみに提供する事業者や、連泊の場合に清掃不要(アメニティグッズの不補充を含む)の意思表示カードを採用する事業者が多く見られた。

・シャンプー類については、多くの事業者がポンプ式(詰替え式)を採用していた。

・プラスチック資源循環促進法の施行を前にした令和3年度は、代替素材への転換、有料販売している事業者が増えていた。また、プラスチックごみ削減と環境保護への取組み協力のため、ホームページでアメニティの持参を呼びかける事業者が多く見られた。

(その他)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、長期間の休業が続いて

いる事業者、閉館・廃業した事業者が増えている。

 

(4)大学

実  施  義  務 規  定 ①学生に対し、本市における廃棄物の発生抑制等に関する取組について周知し、及び当該取組が適切に実施されるために必要な啓発を行う取組
実  施  取  組 ・新入生向けガイダンスでごみ減量や分別ルールを説明、チラシ等の配布

・ごみの減量や分別ルールに関するチラシやポスターの掲示

・大学ポータルサイトにおいて、分別ルール・廃棄物抑制について発信

総  括 ・全ての大学で京都市の啓発チラシの配布やポスター掲示などの周知啓発に取り組んでいた。

(その他)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、オンライン授業が増え、

学生が集合しての啓発活動が難しいため、ポータルサイトでの周知啓

発に力を入れる大学が増えている。

努  力  義  務 規  定 ②構内において、学生が再生利用をすることができる廃棄物を分別して排出するために必要な環境を整備するよう努める取組
実  施  取  組 ・分別ごみ箱の設置(雑がみ、プラスチック、ペットボトル等)

・留学生対応のため、複数言語・イラストを用いた分別表示をごみ箱の設置場所に掲示

総  括 ・雑がみや廃プラスチック専用ごみ箱の設置など、分別の種類の細分化や表示の明確化に加え、電池・インクカートリッジの回収箱を設置するなど積極的に取り組む大学が多数ある。

(その他)

新型コロナウイルス感染症拡大の影響から、オンライン授業が増え、

学生が集合しての啓発活動が難しいため、ポータルサイトでの周知啓

発に力を入れる大学が増えている。

(参考)条例抜粋

(報告書等の作成及び提出等)
第17条 物品小売業者、飲食店業者又は旅館業者等で、その店舗その他の事業の用に供する建築物(本市の区域内に存するものに限る。)の床面積の合計が別に定める面積以上であるもの及び大学は、毎年1回、別に定めるところにより、次に掲げる事項を明らかにした報告書及び第1号に規定する取組に関する計画を作成し、市長に提出しなければならない。(以下略)

(その他の措置)
第19条 (略)
2 市長は、第17条第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の規定により報告書の提出を受け、又は前項の報告を受けたときは、毎年1回、その内容を取りまとめて、公表するものとする。(以下略)

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